路線バスで、クチトンネルCu Chi Tunnelへ。
ベトナム戦争時代、ベトナムの兵士は地下トンネルを掘って米軍に対抗した。その総延長は200km余りと言う。とても狭いトンネルで、体の小さいアジア人は通れるが、体の大きい米軍の兵士は入れなかった。ほんの数メートルではあるが一般の旅行者も見学することが出来る。
サイゴンバスステーションBến Xe Buýt Sài Gòn Lê Laiから、13番バスでクチバスターミナルBến xe Củ Chiへ。そこから79番バスに乗り換えて、Ngã 3 Đền Bến Dượcへ。確か終点の一つ前のバス停で、そこからクチトンネルに歩く。
実弾射撃を体験してきた。前の人が撃っているのを至近で見学できるのだが、大音響で初めは心底ビビる。しかし数分もたつと慣れるもので、割と冷静に見学できるようになる。薬きょうがバシバシ飛んでくる。
弾丸の装填は係りの人がやってくれる。で、そのあと「オートマチック」とひとこと言って無造作に銃を渡される。確かに引き金を引けば弾は発射される。ベトナムではこれでいいのだ。
銃身の上についているスコープで的を狙うが、合っているのかどうか分からない。が、引き金を引いたら、あっけなく弾は発射された。的の上に土煙が立った。発射の反動で銃身が上に向くようだ。何かの本で読んだことがある。あれは本当だったのだ。しっかり構えたつもりだが、次も上に振れてしまった。思い切って的の下方を狙ったら、今度は地面に当たったようだ。係りの人から姿勢を直された。残りも的の上に当たったような気がする。
思ったことは「銃を撃つのは思ったより簡単なことだ」と言うことと「ほとんど当たらない」と言うことだった。スパイ映画とかで、撃つ弾が全部命中してるのは、ほぼ有り得ないことだ。スナイパーと言う職業は大変なプロフェッショナルだということだ。
連射できるマシンガンタイプの銃もあった。それを試している人もいた。全く一瞬で装填された銃弾を撃ち切ってしまう。狙って撃つのではなく、腰の位置で構えて回しながら撃つ、映画で見たやり方の意味が分かった。周りにいる人の胴体のどこかに、だいたい当たるということなのだ。一般の銃と、連射の銃は使い方が違うのだ。
AK47カラシニコフは、世界で最も多く流通しているそうだ。戦時下の環境の悪い工場でも量産できるよう、部品数が少なくシンプルで、公差が大きい(多少サイズがずれてても組み立てられるということ)のだそうだ。水でぬれても発射できるらしく、民兵やゲリラの間で広く流通しているという。
実弾射撃を経験したが、決して日常で武器を使おうとは思わない。ただ、やったことがあるけどやらないのと、やったことがないのとは、違うということだ。今回の旅で最も貴重な経験になった。
路面が悪いし、運転荒いし、車両が古い。ので、路線バスはとても振動が大きい。車酔いしやすい人、腰や背中に問題がある人は注意が必要。ただとても安価だし、乗れれば達成感があります。片道約2時間のバス旅で、95円ほど。