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日系航空会社「ああ日本人」メキシコシティの空港で

2020年1月、メキシコシティに旅をしました。航行距離が長いこと、メキシコシティが高地であることなどから、ANAのチャレンジ路線と言われていると知り、興味が出たのだ。

ボーイング 787-8 NRT-MEX便
169席(ビジネス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー102席)

成田国際空港(NRT)からメキシコシティ国際空港(MEX)までの飛行距離は約11,300km。これはANA史上最長の路線で、チャレンジ路線と言われる理由の一つである。また、メキシコシティ空港の標高は2240m。高地にあるため空気が20%ほど薄いそうだ。着陸するときは平地より減速が難しい。離陸するときは加速しづらい。そのため離陸は深夜、少しでも気温が下がり空気が濃くなるのを待つそうだ。使用機材はBoeing787-8。離着陸が難しい上、航行距離の関係で燃料を多く積まなければならない。通常なら定員240名ほどの機材に、169名しか搭乗できない。うぉ~ワクワク。

メキシコシティ ソカロ

メキシコシティは、人が明るく街中アートがいっぱいな反面、犯罪率は日本より高い。渡航には緊張を伴った。実際商店やホテルの入口には黒服の用心棒が常駐している。警察官は軍隊かと思われる重装備である。ゴツい体躯の上に防弾チョッキを身に着け、益々マッチョになっている。携えるのはマシンガンである。

Palacio de Bellas Artes メキシコシティ

舞台を見たあとホテルに戻るのは深夜になる。撃たれるのか?刺されるのか?誘拐されるのか?と恐れたけれど、それらはいずれも起こらなかった。楽しそうにそぞろ歩く観光客もいる。おそらくその地域は、治安に問題はなかったのだろう。

旅の期間は無事に終わった。怖い目には一度も遭わなかった。楽しかった。

強そうだ Museo Nacional de Antropología

帰り。深夜メキシコシティ発の便を待っていたところ、颯爽とANAのクルーがやってきた。礼儀正しく隊列を組んで通ったあと、ウエイティングエリアの客に向かって、揃って一礼した。45度の角度で数秒維持するやつ。大勢の客のほとんどはクルーに気づいてもいない。それでも45度の角度で数秒維持するやつ。不覚にも涙が出た「ああ日本人」。こんなに楽しいメキシコ旅行だったのに、自分は気づかぬうちに緊張していたのだ。

旅行の時は移動中も雰囲気に浸れるよう、渡航先に本拠地を持つエアを使うようにしている。しかし今回のANAのエピソードは自分にとって素晴らしい経験だった。多くの場所を訪ね、多くの経験をしたい。その一方で日本人としてのアイデンティティと言うものを失っちゃいけないと思ったのでした。